標準修業年限は2年間。32単位を修得し、修了研究(卒業論文)の審査に合格することが修了要件です。科目は「基礎(必修)」「選択」「卒論研究」の3つの区分で構成されています。各科目名をクリックすると、その科目の詳細ページをご覧いただけます(準備中の科目は概要ページを表示します)。
「選択(調整中)」と表示のある科目は、2026年9月現在調整中です。
このカリキュラムは、一般的なMBAの科目表を沖縄向けに並べ替えたものではありません。「沖縄の地域経済の振興をけん引できるリーダーが生まれる」という一つの目的から逆算し、3つの原則にもとづいて組み立てています。
各領域には、学問上の分類以上の意味があります。何を狙って設計されたのか、そしてそれが沖縄という地域にとってどういう意義を持つのかを記します。
基礎領域のコンテンツと教育プラットフォームは、日本初のオンライン大学院であるaobaBBT大学院との連携により提供を受けています。学長を務めるのは、日本の経営コンサルティング業界の黎明期を築いた大前研一。いまでこそコンサルティングは人気の職種ですが、その原型をつくった人物のもとに、良質な教材が長年にわたって蓄積されてきました。
基礎は、知識を習得するための講義です。だからこそ、世界レベルの知識を確実に手にできる仕組みごと導入しました。BBT大学院は、日本の文部科学省の制度上オフラインでの講義を行えないフルオンラインの大学院——言い換えれば、オンラインだけで大学院の学びを成立させることに、長く向き合ってきた場所でもあります。働きながら、自分のペースで、必要なだけ繰り返せる。そして4科目を終えるころには、会計・ファイナンスからマーケティング、組織とリーダーシップまで、企業が成長していく過程を一通り見渡せるようになる。基礎領域は、そこを到達点として設計しています。
沖縄には、経営の基礎を体系的に学べる大学院レベルの場がこれまで存在しませんでした。県外進学かオンライン受講かの二択で、その選択ができる人は限られていた。この6単位は、県内で働きながら経営の土台をつくれるという、沖縄で初めての選択肢そのものです。
手法を学ぶ前に、「なぜ自分がやるのか」を言語化します。セルフマインドマネジメントで自分の判断基準をつくり、経営倫理でその判断が他者に及ぼす重さを知り、国際交流で自分の常識が絶対ではないことを体験する。この順序には理由があります。技術だけを身につけたリーダーは、逆境で折れるか、方向を誤るからです。
地域を動かす仕事は、多くの場合、権限のない場所から始まります。所属企業の看板も、上下関係も使えない。そこで人を動かせるのは、一貫した価値観と信頼だけです。会社を越えて地域の課題に取り組む人材にとって、この領域は装飾ではなく必須の基盤です。
AIを作業を速くする道具としてではなく、思考を鍛える相手として扱います。4科目は「問題を見つける → 戦略を立てる → 事業として立ち上げる → 数字で意思決定する」という実務の流れそのままに並んでおり、各段階でAIと人間の役割分担を実地に検証します。AIが出した答えを疑い、問いを立て直す力こそが、この領域で身につける中心的な能力です。
人口規模が小さく、人材も資本も潤沢とはいえない沖縄にとって、AIは「不足を埋める道具」ではなく「少人数で大きな構想を実行可能にする増幅装置」です。東京と同じ人数を揃えることはできなくても、同じ土俵に立つことはできる。この領域を独立して置いているのは、それが沖縄にとって最も現実的な競争戦略だと考えているからです。
沖縄を「ケーススタディの一例」ではなく「フィールド」として扱う、最も科目数の多い領域です。沖縄特論Ⅰ・Ⅱで歴史と産業構造を一次情報から読み解き、地域創造・集客戦略で現場の実務に落とし込み、国際観光で外からの視点を入れる。教室と現場を往復しながら、地域を「語る」レベルから「動かす」レベルに引き上げます。
県民所得を倍にするというGW2050のビジョンは、スローガンのままでは一円も動かしません。観光客の単価はなぜ上がらないのか、付加価値はどこで域外に流出しているのか、子どもの貧困はどの経済構造に接続しているのか。具体的な数字と当事者に触れ続けることでしか、その問いには答えられません。この領域は、そのための時間を制度として確保するものです。
科目数は2つですが、本プログラムで最も特徴的な領域です。運営母体である中信金融管理学院(CTBC Business School)は、台湾最大級の金融グループが設立したビジネススクールであり、国際市場と金融の実務知見に直接アクセスできます。加えて在学中に最低1回の台湾研修があり、教室で学んだ枠組みを現地の市場で検証します。
沖縄は日本の南端であると同時に、東アジアの中心に位置しています。那覇から台北までは約90分。この地理的条件を経済的な優位に変えるには、台湾を「近い外国」ではなく「日常的な事業のパートナー」として捉える人材が要ります。沖縄と台湾を往復できるリーダーが増えることは、地域の産業構造そのものを変える力を持ちます。
「統合プロジェクト基礎 課題から事業へ」は、それまでの領域で学んだ枠組みを一つの事業構想に束ねる結節点です。オンライン教材で型を押さえ、教室では自分のテーマに当てはめて検討します。その先の実践は、新規事業開発実践講座・企業寄付・地域連携講座を選択科目に、スタートアップ実践とインターンシップを卒論研究の領域に置き、関心と時間に応じて選べるようにしています。ここでのアウトプットは提出物ではなく、外部の人が判断できる形の事業計画です。
修了時に学位だけが残るMBAにはしない、という意思の表れです。在学中に生まれた事業や連携が、修了後も地域に残っていく。そのために、企業・行政・地域とのつながりをカリキュラムの内側に組み込んでいます。学びが地域に還る経路を、制度として用意するということです。
全員が同じ道を通る必要はない、という考えから置いている領域です。必修科目で共通の土台をつくったうえで、自分の構想に必要な分野を選んで深く掘る。沖縄の主力産業である観光を扱うリゾート経営研究・高付加価値観光、これから伸びる医療経営研究・先端医療・ヘルスケアイノベーション、海洋資源を事業として捉えるブルーエコノミー研究、次の技術基盤に踏み込む量子×AI研究——いずれも「沖縄で成立する事業」を具体的に構想するための科目です。
新規事業開発実践講座と企業寄付・地域連携講座も、この領域に置いています。事業を実際に立ち上げる時間や、地元企業・自治体と具体的な案件で組む時間を、必修として一律に課すのではなく、自分のテーマと時間の使い方に合わせて選べるようにしました。
沖縄の産業は観光に偏っているとよく言われますが、本当の課題は偏りそのものではなく、その先の選択肢が育っていないことです。既存産業の付加価値を引き上げる道と、医療・海洋・先端技術で新しい産業を立ち上げる道。この領域は、その両方に人材を送り出すための入り口として設計しています。
卒業論文は最後に一気に書くものではない、という前提でつくった領域です。卒論研究で問いと検証の方法を組み立て、自社戦略立案では自分が所属する組織を対象に、学んだ枠組みを実際の意思決定に当てはめます。スタートアップ実践とインターンシップは、構想を机上で終わらせないための現場です。必修4単位として、全員がこの過程を通ります。
自社戦略立案があることで、学びは修了を待たずに勤務先へ還ります。教室で検討した打ち手が、翌週には自分の職場で試される。県内企業にとっては、社員を送り出すことがそのまま自社の戦略を見直す機会になります。個人の学位取得で完結させないための、実務との接続点です。
卒業論文は、学術的な形式を満たすためのものではありません。2年間で積み上げた構想を、他者が検証できる形にまとめる作業です。前提は何か、根拠となる数字はどこから来たのか、反論にどう答えるのか。ここを通過することで、思いつきは主張になり、主張は提案になります。台湾政府教育部が認定する正式な修士学位は、この審査を経て授与されます。
修了生一人ひとりの卒論は、沖縄の課題に対する具体的な検証の記録です。それが毎年積み重なれば、地域にとっての共有資産——次の世代が出発点にできる知の蓄積になります。個人の学位取得で完結させず、地域に残る形にしていくことを目指しています。
科目は原則として、自分自身 → 組織 → 地域 → 世界 → そして再び自分の構想へ、という順に配置されています。同心円が広がり、最後にもう一度自分に戻ってくる構造です。
※ 上記は学びの流れを示すもので、実際の開講順は年度ごとの時間割によります。詳細は年間スケジュールをご確認ください。
このカリキュラムが目指しているのは、30名の修了生を出すことではありません。修了生が動かした先に、地域の側に何が残るか。そこまでを含めて設計しています。